新規トップ頁
 


アスベストと建築用シーリング材について 
2014年9月

アスベストによる健康障害が社会的問題となり,建築用シーリング材に関しても過去のアスベスト使用状況,改修,解体時の取扱い等への関心が高まってきております。
日本シーリング材工業会・技術委員会では,会員会社を対象に製品中のアスベスト含有調査を行い,過去の使用実態を明らかにするとともに,その取扱い方法について検討してきました。アスベストが0.1%を超えて含むシーリング材は,石綿障害予防規則に従った取扱いが必要になります。このことをふまえ,シーリング材の使用実態に即した具体的取扱い方法等についてまとめました。現段階における,日本シーリング材工業会・技術委員会の見解を以下に述べます。

 

〔内容項目〕クリックして下さい
1 建築用シーリング材のアスベスト含有調査
2 シーリング材中のアスベストの人体への影響について
3 アスベストを使用しているかどうかの見分け方について
4 アスベスト含有シーリング材の改修方法について
5 アスベスト含有シーリング材の廃棄処理方法について
1 建築用シーリング材のアスベスト含有調査

日本シーリング材工業会では,現会員会社の過去に製造したアスベスト含有製品の調査を行いました。調査結果を表1に示します。なお,調査は現在の会員会社を対象に行ったものであり,現会員以外の製品は今回の調査対象には含まれておりません。
過去にアスベストを含有した製品は,「油性コーキング材」と「ブチルゴム系シーリング材」です。これらのシーリング材へのアスベストの配合開始時期と終了時期はメーカーにより異なります。アスベストが0.1%を超えて含むシーリング材が石綿障害予防規則に該当するシーリング材です。
なお,他の建築用シーリング材には,販売当初からアスベストは含まれておりません。また,油性コーキング材には,過去にほとんどの製品でアスベストが配合されておりましたが,改修工事等で既に撤去され,現在は非アスベストシーリング材に打ち替えられている場合が多いと考えられます。

 

表1 シーリング材のアスベスト含有調査結果
シーリング材の種類
アスベストの含有の有無と配合時期
及び石綿障害予防規則への該非
1,2成分形シリコーン系
無  し(非該当)
2成分形ポリイソブチレン系
無  し(非該当)
1,2成分形変成シリコーン系
無  し(非該当)
1,2成分形ポリサルファイド系
無  し(非該当)
1,2成分形ポリウレタン系
無  し(非該当)
1,2成分形アクリルウレタン系
無  し(非該当)
1成分形変成ポリサルファイド系
無  し(非該当)
1成分形アクリル系
無  し(非該当)
1成分形ブチルゴム系
平成10年まで該当していた製品あり※
シリコーン系マスチック
無  し(非該当)
油性コーキング材
平成14年まで該当していた製品あり※
無し:過去より現在に至るまでアスベストは配合されていない。
※現在は配合されていない。
戻る
2 シーリング材中のアスベストの人体への影響について

アスベストは,補強やたれ止め等を目的として配合され,乾性油やブチルゴムに練り込まれたペーストの状態で使用されました。施工後は,「油性コーキング材」は表面のみ皮膜を形成し内部は未硬化の状態となり,「ブチルゴム系シーリング材」は溶剤が揮発して柔らかいゴム状になります。経年劣化後はいずれも硬くなり,「油性コーキング材」は粘土状に,「ブチルゴム系シーリング材」は硬いゴム状になります。
これらのシーリング材は,施工時,施工後,経年劣化後のいずれにおいてもアスベストは湿潤もしくは固定された状態で飛散しませんので,通常の使用状態では特に健康に影響はないと考えられます。

戻る

3 アスベストを使用しているかどうかの見分け方について
アスベスト含有シーリング材の判定フロー
 

2003年以降に施工された建物であれば,アスベストはシーリング材に含まれていないか,0.1重量%未満であり石綿障害予防規則には該当しません。また,2002年以前に施工された建物でも,油性コーキング材,ブチルゴム系シーリング材が用いられていなければアスベストは含まれていません。なお,改修や補修でシーリング材が打ち替えられている場合は,打替時期が2002年以前であれば材種を確認する必要があります。
設計図書や施工記録により,油性コーキング材やブチルゴム系シーリング材の使用が確認され,2002年以前(ブチル系シーリング材では1998年以前)に施工されていた場合には,製造会社にアスベスト使用の有無を確認する必要があります。
過去の記録等を調べても材種がわからなかった場合には,シーリング材の材種を確認する必要があります。シーリング材の材種判定は当工業会が有料で行います。(ただし,これは材種の判定であり,油性コーキングまたはブチルゴム系シーリング材と判断された場合は,他専門機関でアスベスト含有・非含有の判定が必要です。アスベスト分析機関は,(社)日本石綿協会のホームページ等を参照してください。)判定は,当工業会が実施している「シーリング材の材種判定およびアスベスト含有分析の要否判定」に準拠して行います。所定の書式及び注意事項に則って依頼書を作成し,サンプルと併せて当工業会宛お送り下さい。材種判定報告書と請求書をお送りいたします。
[判定依頼書1枚(8ピース)につき3,500円、2枚目以降は1枚につき1,500円を実費としていただきます。〈消費税別〉]

「シーリング材の材種判定およびアスベト含有分析の要否判定依頼書」は日本シーリング材工業会のホームページより入手できます。
材種判定により油性コーキング材もしくはブチルゴム系シーリング材と確認されても施工記録や施工時期等からアスベスト使用メーカー品かどうか確認できなかった場合には専門分析機関でアスベスト含有シーリング材かどうかを分析する必要があります。
なおシーリング材中のアスベストの含有有無の確認は他の建材と同様に「廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令」により建物所有者の皆様の責任と指示のもとで実施されることになります。
戻る
 
4 アスベスト含有シーリング材の改修方法について

アスベスト含有建材の建築改修工事における取扱い方法は,「公共建築改修工事標準仕様書(建築工事編)平成25年版」及び「建築改修工事監理指針(平成25年版)」に詳細が規定されています。
同指針にはアスベスト含有シーリング材の処理方法の規定はありませんが,シーリング材中のアスベストは容易には飛散しないため「同指針9.1.5 アスベスト含有成形板の除去」に準じた工事が必要と考えています。
改修工事における工事の概略は,下記のアスベスト含有シーリング材の改修方法フローチャートを参照して下さい。詳細については,同指針に準拠して下さい。

 

アスベスト含有シーリング材の改修方法フローチャート


詳細は,「建築改修工事監理指針 平成25年版(下巻) 9.1.2 除去工事共通事項p.680-686ならびに9.1.5 アスベスト含有成形板の除去p.693-695」を参照して下さい。
また,アスベスト成形板処理工事は,建設業労働災害防止協会「建築物の解体等工事における石綿粉じんへの暴露防止マニュアル」では発じん性の比較的低いレベル(作業レベル3)に分類される工事としています。アスベスト含有シーリング材の改修工事等もアスベスト成形板処理工事同様,発じん性の比較的低いレベル(作業レベル3)に分類される工事と考えています。

 

 

戻る

5 アスベスト含有シーリング材の廃棄処理方法について

アスベスト廃棄物は,飛散性アスベスト廃棄物と非飛散性アスベスト廃棄物に分けられます。

 


飛散性アスベスト廃棄物は,石綿保温材,けいそう土保温材,パーライト保温材,比重0.5以下の石綿含有保温材などの,人の接触,気流及び振動により石綿が大気に飛散するおそれがある石綿含有廃棄物です。これらは特別管理型産業廃棄物の「廃石綿等」に分類され,収集,運搬,処分等の基準が定められています。
非飛散性アスベスト廃棄物は,アスベストがセメント,けい酸カルシウム等と一体に成形されたアスベスト成形板(スレート板等)等で,これらは廃棄物処理及び清掃に関する法律では「廃石綿等」には分類されず従来通り「がれき類」等に分類されます。
アスベスト含有シーリング材は,アスベストが有機系樹脂で固定されていることから非飛散性アスベスト廃棄物であり,廃棄物処理及び清掃に関する法律では従来通り「廃プラスチック類」に分類されます。

 

戻る

Copyright 2017 Japan Sealant Industry Association